
近年、新築住宅においてシックハウス症候群と呼ばれる症状(住宅内で体がだるくなる・めまいがする・喉が痛くなる等)が発生して大きな社会問題となっています。
主な原因は住宅建材に使用されている化学物質が室内に放散した影響で引き起こされると考えられていますが、他にも様々な要因が関係していると言われています。
皆様には、これらのシックハウスに関する問題や対策を解りやすくQ&A方式で紹介・解説をしていきます。
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Q.シックハウス問題って何ですか?
Q.化学物質過敏症とは違うのですか?
Q.何が原因になっているのですか?
Q.誰にどの様な相談をすれば良いのですか?
Q.どんな建材を選べば良いですか?
Q.家の機能や構造で気をつける事はありますか?
Q.新築後に気をつける事はなんですか?
Q.家具や生活用具は大丈夫ですか?
Q.普段の生活で出来る対策方法はありますか?
Q.化学物質の発散は季節によって違いがあるのですか?
Q.シックハウス問題って何ですか?
A.住宅建材に使用されている化学物質などの影響で引き起こる健康被害のことです。
住宅建材の内装材や塗料、接着剤などに含まれる化学物質等の影響により体調の変化を覚える人が続出した問題で、シックハウス症候群とも言います。 主な症状として・・・
眼がチカチカする
喉が痛くなる
頭痛がする
体がだるくなる
めまいがする
アレルギー症状がでる等
Q.化学物質過敏症とは違うのですか?
A.関係はありますが、同じ意味としては使われていません。
一般に化学物質過敏症と呼ばれているものは、自然界に存在する有機物質にも反応して発症することも含まれる為、住宅(建物)のなかにいる時に特に症状のでるシックハウス症候群とは区別されています。
※化学物質過敏症
ある化学物質に一度触れてショック症状などを引き起こした場合、次に極微量でもその物質又は同系統の物質に接触した際に激しい過敏症を起こすことを指します。日本では患者の70%が40〜50歳代の女性だと言われています。
Q.何が原因になっているのですか?
A.原因となっている物質は住宅のあらゆる場所にあります。
殺菌や防腐剤として使用されているホルムアルデヒドは非常に揮発性が高く無色で刺激臭があり、建築中や建築直後には、最も発散量が多くなるという特長があります。
可塑剤や塗料などで主に使用されるトルエンやキシレンは、高濃度になると倦怠感、知覚障害、吐き気などの症状を引き起こすことがあります。
●住宅における主な化学物質の発生場所
1.外壁/塗料・可塑剤(トルエン・キシレンなど) 8.畳/防虫剤
2.壁紙/塩ビ壁紙・接着剤(ホルムアルデヒド) 9.床/合板・塗料・断熱材(ホルムアルデヒド)
3.カーテン/防炎加工材 10.天井/合板・ボード(ホルムアルデヒド)
4.家具/合板・ボード(ホルムアルデヒド) 11.収納棚/合板・ボード(ホルムアルデヒド)
5.殺虫剤/他に、蚊取り線香・芳香剤など 12.調理器具/燃焼ガス
6.ストーブ/燃焼ガス 13.カーペット/防炎加工材・殺虫剤
7.タバコ/煙(ホルムアルデヒド) 14.床下/防蟻材(クロムピリホス
Q.誰にどの様な相談をすれば良いのですか?
A.ご要望は工務店(設計・施工業者)にご相談下さい。
シックハウス対策については様々なレベルでの対処方法があります。新築住宅を希望されるお客様には、まず工務店(設計・施工業者)への相談と綿密な打合せの後、両者合意のもとに進められることが重要であるといえます。また、こうした相談は効率的な対策実践とトラブル回避のためにも設計から施工までの間に随時設け確認と合意を繰り返し行っていくことが必要です。
しかし、今日の住宅建築の現状では全く化学物質を放散しない建材を使用する事は経済面(注1)・安全面(注2)・耐久面(注3)など様々な側面から非常に困難であり、考えられる最も効率的なシックハウス対策は施工前における最低限度の化学物質対策と施工後の住み方への配慮であるといえます。
シックハウス対策を効果的なものにしていく為には総合的バランスを考慮した観点が必要です。
注1:天然素材による建材費用の増加、加工促進添加剤を使用しない為の時間的損失。
注2:防火・防災対策など。 注3:化学的安定・防腐・防蟻など。
Q.どんな建材を選べば良いですか?
A.原因物質の放散量の少ない建材・内装材を選びましょう。
主な原因物質とは沸点から50℃から260℃までのトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンなど主要4種を揮発性有機化合物(VOC)と呼んでいます(注4)。
これらよりも揮発性の高いホルムアルデヒド(沸点−21℃)は高揮発性有機化合物(VVOC)と呼びVOCとは区別されています。
現在多くの建材企業がホルムアルデヒドなどの原因物質を使用していない素材や放散量の少ない建材、塗料、接着剤などを製品化しています。
これらを使用することによってかなりの放散量を軽減することができます。

トルエンやキシレンなどのVOCを余り含まない塗料として水性塗料(エマルジョン系塗料)がありますが、これに含まれている溶剤も概して体に良いわけではないので成分の割合などに気をつけましょう。
また水性塗料は腐りやすいので防腐剤が含まれている物も有るので注意が必要です。

接着剤にもトルエンやキシレンなどのVOC、ホルムアルデヒドなどのVVOCをあまり含まない水性エマルジョン系の物が有りますが、水回りなど湿度の高い所ではその効果に問題があると言われています。
壁紙などの施工用でんぷん接着剤においてはホルムアルデヒド放散量の低いものが多く製品化されています。

住宅に部分的な木材保存剤や防蟻剤を使用する事はある程度必要な処理であるといえますが、耐腐性・耐蟻性に長けた材木(ヒノキ・ヒバ・コウヤマキ・ケヤキ)を使用する方法も有効的です。
防蟻剤を使用する場合は床下換気を良く考慮し、周辺への影響を少なくすることが必要です。

天然の素材を使用するにしても保管場所や輸送経路において他の製品等から化学物質を吸収してしまう事がありますので、シックハウス対策として扱う場合には注意が必要です。
Q.家の機能や構造で気をつける事はありますか?
A.換気の良さを配慮した構造にしましょう。
昔に比べて現在の住宅は気密性が高く、室内にシックハウスの原因となる化学物質が溜まりやすくなっています。また、一年を通してエアコンを使用する事で窓を閉めきる期間が多くなり、換気をさらに悪化させるのも要因となります。
これらを踏まえて、しっかりとした換気計画を立てることが重要です。
Q.新築後に気をつける事はなんですか?
A.住宅建材に使用されている化学物質などの影響で引き起こる健康被害のことです。
新居は完成後約2〜3週間を於いてから入居するのが望ましいですが、それが難しい場合にはベイクアウトと呼ばれる手法を行います。
また室内に立ち入った際に刺激臭がしたり、目がチカチカした場合には充分な換気を行いましょう。

●ベイクアウト
住宅の完成後、室内の温度を意識的に上げ(35℃〜40℃)揮発性化学物質に対し強制的に発散を促進させる方法。
しかしホルムアルデヒドなどのVVOCには余り効果がありません。
また温度を上げすぎてしまうと内装材や建材に変形等の悪影響を与えてしまう危険があるので注意が必要です。

●温度の管理と換気
気温の上昇する昼間などは1時間に5分程度の換気が効果的です。
特に夏場はエアコンを使用中でも換気を怠らないようにしましょう。
また、カーテンや雨戸をこまめに閉めて直射日光による室内温度の上昇を抑えましょう。

●空気清浄機の利用
市販されている空気清浄機のみでは決定的な化学物質軽減効果を望むことは出来ませんが換気と併用した補助効果、特に汚染の著しい場所では有効であると言えます.

●リフォームの場合
基本的には新築後と同様の対策が必要ですが、リフォーム中は化学物質の多く発生する施工現場と隣り合わせで生活することになります。
施工中は現場と生活の場との隔離、換気を充分に行うことが大切です。
Q.家具や生活用具は大丈夫ですか?
A.室内の化学物質濃度を上げないための選定と工夫をしましょう。
いくら建材や内装材の化学物質発散量を抑えたとしても、その室内に持ち込む家具などに化学物質が多く含まれていては意味がありません。
購入時にはその製品の化学物質発散量がどの程度であるかを良く調べ、また既に有るものに関しては出来るだけ影響を軽減させる工夫を施しましょう。

○新しく家具を購入する場合は製品表示などをよく確認し、また実際に内部の臭いを嗅ぐなどして化学物質が放散されていないかチャックしましょう。
○タンスや衣装ケースで防虫剤を使用する場合は標準使用量を守りましょう。
○衣類用防虫剤などは空気より比重が重いので、特に寝室などの場合には換気に気を配りましょう。
○家具内部は非常に狭いので、家具自体や衣類などから出る僅かな化学物質も蓄積しやすいので注意しましょう。
Q.普段の生活で出来る対策方法はありますか?
A.換気を中心とした様々な対策方法があります。
●換気について○屋外の汚染された空気が室内に入らない様にしましょう。
○換気はできるだけこまめにしましょう。
○窓を閉めきっている時には、ときどき換気扇を回しましょう。
○換気計画は部屋の対角に吸気口を設け、空気の流れを作るようにしましょう。
○空気の流れを良くするため、窓を開けた部屋は入口ドアも開けましょう。
○窓や通風口を家具などで塞がないようにしましょう。
○風が強くて換気が困難な場合は、フードを取り付けるなど工夫しましょう。
●掃除・洗濯について○畳の掃除は、掃除機を目に沿うようにゆっくりと一枚につき1分間ぐらいかけましょう。
○畳は時々むし干しをしましょう。
○布団は週に1〜2回天日干しをしましょう。
○布団を叩いた後には、布団用ノズルの掃除機で内部から表面に出てきたアレルゲン(ダニの糞や死骸)を取り除きましょう。
○ぬいぐるみ等、丸洗いできるものはまめに洗濯し、天日干しや掃除機もかけましょう。
○クリーニングにだした衣類などは一度陰干ししてから収納しましょう。
○新しい衣類は一度水洗いしてから着用しましょう。
●その他○湿度を高くしないためにも観葉植物には水を与え過ぎないようにしましょう。
○加湿器も水の取り替えと洗浄をこまめにし、相対湿度が50%を越えたら加湿を控えましょう。
○トイレの芳香剤も過度にならない様に心がけ、換気を充分に行いましょう。
Q.化学物質の発散は季節によって違いがあるのですか?
A.暖かい季節には化学物質の放散量が増加します。
建材や内装材に含まれる化学物質は高温揮発性のものが多く、気温が高ければ高いほど発散する量が増加します。
そのため冬季より夏季(冬季の1.5倍〜2倍)、夜間よりも昼間(10℃の差で2〜3倍)が最も室内の化学物質濃度が上昇しますのでその時間帯における充分な換気が必要になります。
特にホルムアルデヒド濃度は、換気直後こそ急速な濃度低下が見られますが窓を閉めきるとまた上昇を始める傾向があるため、こまめな換気を心がけましょう。

